麻酔分娩をした話②
日々の生活に追われてかなり間があいてしまった!麻酔分娩をした話②。
(「麻酔分娩」「無痛分娩」のキーワードでこのブログに来てくださる方が相当数いらっしゃるようでありがたいです。ちょっとでも参考になれば嬉しいです)
前回の記事
目次
- そもそも麻酔分娩とは
- 病院探し
- (当該病院において示された)麻酔分娩のメリットデメリット
- 陣痛から出産まで ←今回ここ
- 産後の体調(母子それぞれ)
- まとめ
4 陣痛から出産まで
4−1 子宮口と陣痛促進剤,麻酔の関係
ここ重要なのだけど,ある程度子宮口が開いていないと麻酔分娩はできないらしい。
そもそも出産とは,
陣痛で胎児を外へ外へ出そうとする
→同じく陣痛で出口が完全に開く(10cm)
→で,で,出たー!!
って感じなので,いくら押し出しても,出口(子宮口)が開いていないと,胎児はぎゅうぎゅうになって外に出られなくて,悪ければ心拍低下,緊急帝王切開となるらしい。
ある程度子宮口が開いていると,麻酔して陣痛誘発剤や陣痛促進剤で追い上げて全開までもっていけるけど,全く開いていなかったり,ガチガチだと,難しいらしい。
では子宮口っていつ開くの?という話だけど,これ,人それぞれで,陣痛によってじわじわ0から開いていく人もいれば,臨月には普通に数cm開いてたりする人もいるらしい。
うちの病院では,子宮口が5cmにならないと麻酔を入れないという方針だった。
で,私の場合は
前駆陣痛(陣痛もどき。普通に痛い)で来院
→子宮口全く開いておらず(0cm)
→でもちょうど麻酔医がいるし念のためにチューブを入れてもらい,入院。
→前駆陣痛(普通に痛い)が続くが,子宮口開かないため一晩中悶え続ける。
→あまりにも辛いので,交渉して,3cmになったら麻酔を入れてくれることに。
→やっと3cm。前駆陣痛からいつのまにか本陣痛になっていた。
→麻酔投入。めっちゃくちゃ楽になる。
4−2 全身管理
3−3でも述べたが,麻酔を入れると胎児および母体に影響が出る可能性がある。
これにより,全身管理が必要となる。麻酔投入に伴い,私の体にはすごい勢いで 機器が装着された。
MAX8つ。
1:陣痛促進剤の針
2:輸血用の針(結局輸血はしなかったけど)
3:血圧計
4:導尿カテーテル
5:お腹の張りをみるモニター
6:胎児の心拍をみるモニター
7:(6で一時心拍低下が見られたので)酸素マスク
8:忘れちゃいけない麻酔チューブ
どこかのタイミングで,1か2の針から抗生剤も入れられた。
とにかく現代医療すげええええと思った。
特に7については,胎児の心拍低下ということについて自覚症状は全くなく,むしろ麻酔を入れて落ち着いてやっと普通の会話ができるようになっていた頃だった。夫が水を買ってくるねと個室を出ていって,私もぽやっとしていたら,ナースステーションでモニターしていた助産師さん達が走ってきて,あっという間に酸素マスクをつけられ,胎児に酸素がいきやすいという四つん這いにさせられた。
夫によると,20mほど先の自販機で水を買って,戻ってきたら,助産師3人がかりで押さえつけられて酸素マスクをつけられている妊婦がいたので(明らかに修羅場),部屋を間違えたかと焦ったらしい。
結局5分ほどで回復。これはこの後もう1回あった。
全身管理はすごい。導尿カテーテルも,挿入時こそウッて感じだったけど,そのあとはトイレに動かなくていいし楽ちん。
私はもういくらでも管理してくださいという気持ちだった。
4−3 痛みの程度
そもそも,うちの病院では,全くの無痛にはしないという方針だった。
全くの無痛だといきむタイミングが分からないというのがその理由。
痛みは本人の絶対評価なので,痛かった痛くなかったの感想にあまり意味はないのかもしれないけど,一応,相対評価できそうなものがある。
出産時はNSTという機械をつける。これはお腹の張り(ひいては陣痛の強さ)を観測するものである。
お腹が張ってきたーもりもりしてきたーーというときに,この数値がぐぐぐぐーっと上がる。
引いてきたーというときに,この数値がすーーーっと下がる。
切迫早産時もつけていたが,この時のお腹の張りはだいたい15くらいだった。
これが前駆陣痛時は25くらいになり(相当痛い)。
子宮口がやっと3cm開いた頃には,50くらいだった(めちゃくちゃ痛い)。
それが,麻酔を入れたあとは,70になっても,ふつー。
80とかでも,「これ2桁しかないけどMAX99なのかな??」と夫と喋られるレベル。
99から動かず,「うわーやっぱりここまでかー」みたいな。
おっそろそろ痛いぞとなったら,ナースコールを押して,医師に麻酔を足してもらう。
そして麻酔をしてても結構痛くなり,NSTは常に99をさすようになって,もはや意味がなくなり,見なくなった。
また,出産時,陣痛の他にも内診が痛かったとよく聞く。
そう,「子宮口◯cm開いている」とかは,助産師ないし医師が手を突っ込んで確認するのだ!!普通に考えたらこれだけでもめちゃくちゃ痛いのだ。
しかも,なかなか開かない時は,無理やり指で押し広げたりもするのだ。正気の沙汰ではない。
8cmくらいの時だったかと思うのだけど,医師が,内診中に,「これ痛くないの?」と聞いてきた。
「まあ,痛いのは痛いですけど」と答えたら,
「うん,いいね。麻酔がよく効いてる。これ普通の人なら悲鳴あげて身をよじらせるレベルだよ」と。
一体何をしているんだと思ったけど,正直,よく分からなかった。つまりは医師の言う通り麻酔がよく効いていたんだと思う。
ちなみに医師はこの内診の直後,夫に「麻酔がよく効いています。麻酔分娩の目的は達成できたと言っていいでしょう。」と伝えたらしい。
まだ産んでないのに???って話だけど,でも,やっぱり相当痛みを緩和できたみたい。それにしても本当に何をされてたんだろう…
4−4 いざ出産
分娩台にのぼって,いきむときは,そんなにしんどくなかった。
出産は鼻からスイカを出すとかなんとか言われるけど,産む瞬間より,バットで腰を叩かれているようなあの陣痛の方がよっぽどしんどかった。
夫が立ち会ったのだけど,給食当番みたいな格好だったので,「給食当番みたい!」と言って笑った。
「いきむ時のイメトレしてなかったんですけど,普通は何分位かかるんですか?」と丁寧語で助産師に尋ねた。
子宮口は全開で一番痛い時間帯だったはず。でも,そのくらいの余裕はあった。
分娩台にのぼってから20分ほどかかかって出産。
医師によると「普通の人の1/3〜1/2程度の痛みだったと思う」と。
それでも相当痛かったので,普通の人,すごい,と思った。
結構長くなったので,今回ここまで。
③に続く。