やさしい世界
たまに,まわり全員が子供に優しいというミラクルな状況に遭遇することがあって,今日の保育園の帰り,マンションのエレベーターがまさにそれだった。
息子がグダグダして乗り込まないので,「すみません,先に行ってください」と言ったのだけど,初老の男性が「いいよいいよ,ボクちゃん,おいで〜」と開ボタンを押しながら待ってくれて,他の人もニコニコ。
若いカップルの女性が「あんたの顔が怖いから乗れないんじゃないの〜」などと連れの男性に軽口を言い,サングラスの彼は「うわーそうかも!ごめんね!」と応じる。
申し訳ないので抱きかかえて乗り込む私。
みんな「乗れたね〜」とニコニコ。
私より少し年上の女性が,息子が付けているアンパンマンのスタイを見て「かわいい。アンパンマン好きなのね。」と言ってくれて,息子は自分でスタイを指して「あんまんまん!」とドヤ顔。「いいわねえ。うちの子も昔好きだったのよ。今はプリキュアなの」。聞くと小学生のお子さんがいるらしい。
各階で人が降りていって,その度に息子は手を振っていて
私たちが降りるとき,ずっと黙っていた中年の男性が開ボタンを押してくれて,「この時期は抱っこしていると暑いでしょう。頑張ってね」と笑顔で見送ってくれて
なんかすごいびっくりした。
やさしい世界だった。
正直,駅のホームでぶつかられることもあるし,信号で待ってるだけでも舌打ちされることもあるし,子供を連れていると(しかも夫がおらず私と息子だけだと),外では嫌な思いをすることの方が多い。
今日のやさしさにはめまいがした。
同じマンションで住民同士だから?(険悪になりたくない?たぶんこれが一番大きい)
通勤じゃなくて帰宅時だったから?(気持ちに余裕があった?)
しかも金曜の夕方だったから?
さらに小さな空間だったから?(善意が伝染しやすい?)
なんだか色々考えさせられた。
子育てしやすい社会の実現〜とか言ってるけど,そのヒントがある気がした。