おのぼりOL適当日記

おのぼりアラサーが東京で共働き子育てをするブログ。保有する資格,所属する組織とは全く関係なく,個人的意見・思想に基づいて書き散らします。

保湿が大事

2m15d。昨夜の息子は22:00にはウトウトし始め,その後5:30までぐっすり。

泣き声で起きて,時計を見てびっくりした。めっちゃ寝てるやん!

ミルクを飲んでしばらくごきげんで遊んだあと,また寝て,9:30頃に起きてミルクを飲んで,またごきげん。

ちょっとグズったタイミングで全身を保湿。触られると楽しいらしくて,またごきげんになったりするので。

 

そう,保湿。助産師からも保健師からも,とにかく保湿しろと言われている。できたら1日3回。もっとでもいい。

保湿によって,肌トラブルが防げるらしい。

将来アトピーになる可能性も低くなるとか。

 

f:id:onoboriyoshimi:20170117120658j:plain

右は乳児湿疹に塗る薬。かなり綺麗になったけど,たまにまた出てくる。

 

 

こうやって保湿しているときに思い出すのが,母親のこと。

 

私は昔アトピー持ちだった。

生後2ヶ月からアトピー性皮膚炎を発症し,その後,思春期に勝手に治るまで,けっこう悩まされた。

物心ついた頃にはステロイド入りの塗り薬を何種類か持っていて,その日の程度によって塗り分けていた。母に塗ってもらったり,自分で塗ったり。母と一緒に小児科や皮膚科を渡り歩き,塩水がいいと聞けばそれで体を洗い,馬油がいいと聞けば塗りたくり,食生活の改善,部屋の掃除,運動,とにかくいろいろやった。

物心つく前のこともよく聞いた。母は病院で,こまめにベピーパウダーをはたいてあげろと指導されたらしく,一日に何回も何回も私を沐浴させ,その度にベビーパウダーをはたいていたらしい。母の「子育て大変だった話」では必ずこれが出てきたし,この話をするときの母はなんだかちょっと誇らしげだった。私も「大変だったんだなぁ」「ありがたいなぁ」と思っていた。

 

しかし,今の育児書や病院では,ベピーパウダーをはたく必要はなく,むしろ汗腺を塞ぎ肌トラブルの原因となる可能性が高いと言われている。

つまり母が一生懸命やっていたことはほぼ無駄というか,むしろ害悪だった可能性が高い。

それと私のアトピーの因果関係は不明だけど,でも,親が一生懸命良かれと思ってやったこと(しかも医師の指導のもとにやったこと)が実は良くなかったというのは他にもいろいろあるんだろうなと思う。それでも私は母の行為を責める気なんて毛頭なくて,母が睡眠時間を削って私のために一生懸命オムツを替えてベピーパウダーをはたいている姿を想像すると,ただただ,切なくなる。それだけ。

 

将来もしかしたら,息子が大きくなる頃には「保湿をやりすぎると肌自身の力を失わせて良くない」とか「1週間に1回以上保湿してはいけない」とかが主流になるかもしれない。そうしたら,そのとき息子に肌トラブルがあったら,私は申し訳ないと思うかもしれない。そうであっても,とりあえず,今は,現時点において息子のために良いと言われていることをやっていくしかない。

そういうことを考えながら,今日も塗り塗り塗り塗りしている(息子も楽しそうだし,すべすべの肌に触るのは私も楽しい)。

 

髪切ってパンケーキ食べて色々考えた

美容院に行ってきた。

 

東京に引っ越してからずっと,銀座の同じ美容院に行っている(銀座の美容院というとめっちゃ高そうだけど,全くそんなことなくてピンキリ)。

ここの担当のお姉さんがとにかく,いい!

何がいいって,めちゃくちゃハッキリ意見を言って,さらに別のことを提案してくれたりするところ。

これは似合いますとか,これは顔の形からして似合わないのでやめたほうがいいですとか,まとまりを出したいなら縮毛矯正よりむしろ毛先にパーマあてませんか?とか

そして,結果として,私の納得のいく仕上がりになっている(ここ重要)。

 

私もそうだけど,専門的知識をもって人にサービスを提供する職業って,依頼者の要望にどう応えるかが非常に難しいと思う。

依頼者の言う通りにハイハイ言ってそのまんまやることもできるけど,それよりこっちの方がよくない?っていうのを提案することはとても難しい。相手はそんなこと考えてもいないんだから,メリットを提示して納得させないといけない。そして結果を引き受けないといけない(依頼者の思っていた結論にならなかった場合は特に悲惨。「あなたの言う通りにしたらえらいことになったじゃないか!私はこんなことしたくなかったのに!」)。

 

さらに,依頼者としては,結果は知らんがとにかく思う通りにしたいんや!ということもある。

例えば上記の例だと,私はとにかく縮毛矯正をしたいかもしれない。もしかしたら,毛先にパーマをあてる方が,「髪を軽くする」という効果については大きいのかもしれない。でもそれでも矯正かけたいんや!○○ちゃんがそうしてたから私もしたいんや!ということもある。こうなると,目的は「髪を軽くする」ことではなくて,「縮毛矯正をかけて髪を軽くする」になる。これをひっくり返すのはとても難しい。一度失敗してもらうしかないかも。

だから,専門家としては,しっかり話し合うことで本当のニーズを理解して,そして最後は本人の身体・本人の人生なんだから本人に任せることになるんだろう。

 

こういうのをちゃんとやるととても大変。面倒臭いし,思った通りの結果じゃなかったら文句言われるかもしれないし。

だから,ハイハイって言って,求められたことをそのままやればとっても簡単。

でも,それだと,せっかく専門的知識を持ってる面白さが半分くらい失われるんじゃないかなあ。そして,真の意味のリピーターにはなってくれないと思う。言われたことそのままやってくれるところなら,他にもいっぱいあるから。もっと安かったり,もっと近かったりするところに客が流れていくのは当然だよね。

私はこの美容師さんが大好きなので,この人がどこかに移ったらついていくと思う。まさにリピーター。

 

最初は美容師さんについて考えていたけど,当然ながら,これ全部,私たちの職業にもいえることだな。とっても難しいけど,頑張る姿勢が大事。

 

こういうことをつらつらと考えながら,同じく銀座の星乃珈琲店でパンケーキのダブルを完食。ごちそうさまでした。

f:id:onoboriyoshimi:20170115190502j:plain

f:id:onoboriyoshimi:20170115190510j:plain

息子のワンオペ最終日

夫が海外出張に行ってしまったので,今週はワンオペで頑張った!

日付が変わる前には帰ってくるらしい。ここまで長かったけどなんとか乗り切れたー。最後まで気を抜かず頑張ろう。

 

まず,やってみてわかったけど,ワンオペにもいい面がある。

とにかく夫の行動を気にしなくてもいい。

いつも風呂は夫に入れてもらっていたので,夫の帰る時間にあわせて授乳時間を調整したり,寝かしつけの時間を考えたりしていた。でもそれは不要。完全にこちらのペースでいける。

また,夜中の授乳後しばらくグズられたとき,夫を起こさないように気を遣う必要がない。早く泣き止んでーとか思わなくていい。テレビをつけてamazonプライムビデオを起動して,海外ドラマの続きを見られるようにして,心を整えて長期戦に臨める。

 

ワンオペで大変だったのは,①一人入浴と,②夜中の対応

あれ?どちらも上でメリットみたいに言ってなかった?って話なんだけど。

①一人入浴は,とにかく大変だった。風呂上がりのむすこの服やお手入れグッズを全て用意し,むすこをバウンサーに乗せて脱衣所付近で待機させ,まず私が急いで洗って,むすこの服を脱がせて,一緒に入浴,脱衣所の床に用意しておいたバスタオルでむすこを包み,私もざっと拭いて服を着て,リビングまで運んでむすこに服を着させる。その後ミルクを飲ませて寝させる。

ここで自分の髪の毛も洗うと,むすこの服を脱がせるときや,着させるときにポタポタ水が落ちてきてたいへん。もっというと風邪ひきそう。なので,むすこと一緒に入るときは洗髪は諦めた。寝かしつけ後にこっそりや,昼間すごーくよく寝てるときだけにした。それでも,シャワーを使っているときにむすこが泣いている声が聞こえて,慌てて出てくることがあった。でもいつも空耳。その度に「安全なところに置いているんだから,仮に多少泣こうが心配することないよな…」と思う。そしてまた繰り返す。

やっぱり沐浴は2人以上でやるのがいい。

 

②夜中の対応について。もともとは,深夜:私,早朝:夫の担当だったのが,私1人だけになったことで,単純に睡眠時間が減った。あと,何かあっても自分しかいないということで気が張ってしまい,睡眠が浅かったり,なかなか寝付けなかったりした。「もしギャン泣きしても気づかないくらい深く寝てしまったらどうしよう…」という思いにしばらくとらわれた。

 

 

 

ちなみに,ワンオペといいつつ,実は母が1泊2日で来てくれていた。それはそれで色々あったけど,少なくともその日だけは深く眠れた気がする。もちろん髪もゆっくり洗うことができた。

 

やっぱりワンオペで何が辛いって,「自分しかいない」というプレッシャーなんだよなあ。死なせない・ケガをさせない・お腹いっぱいにしてあげる。正直これだけなんだけど,でも,すべて自分にかかっているというのがきつい。昼も夜もこれだと潰れてしまうわ。

夫早く帰ってきてー

息子OS大型アップデート

2m6d,むすこ,今日は一日中ごきげん

 

いつもどおり,メリーを見ながら超笑顔

手足を全力でバタバタ

1時間くらいすると飽きた声を出す(ていうか1時間もよく飽きずに見てるな!それがすごいわ)

バウンサーに乗せて絵本を見せたりとかして,またメリーに戻す

そしたら,また,ごきげん(初めて見たかのような顔しやがって!このこの!かわいいんだから!)

 

よくよく観察してみると,今日は,メリーに付いている複数のぬいぐるみのうち,ある特定のキャラが通った時に大きな声を出している

 

調べてみたらプーさんに出てくるティガーというやつらしい

 

f:id:onoboriyoshimi:20170108201000p:plain

こいつ 

今の今まで知らんかったけど

 

 

こいつが回ってきたときの反応がすごい

「ひあー!」「キャッフゥー!(*゚∀゚*)」

主人公のプーさんはスルー

「…………( '▽' )」

 

同じ黄色系なのになんでやろ?あまりにかわいすぎて,こいつのぬいぐるみとか買ってあげたくなるよ

 

 

 

また,今まではミルク大好きで,いつ何時であろうとあればあるだけ飲むフードファイターだったのに,今日は途中からニヤリとして舌で拒否したりするようになった!!!

やっと満腹中枢が機能した!?

 

 

 

うつぶせ寝させてみても,結構長いあいだ首を起こしてた!しかも楽しそうにしてた!

首すわりも近い!?

 

 

その上その上,いつも便秘で3日に1回しか出さないくせに,今日は4回ももよおしておった!!めっちゃ笑顔で!

なんで!?どうなってんの?年末年始のハラハラドキドキは何だったの?

 

 

これはOSがアップデートされたとしか思えない

しかも今回は大型アップデート

成長って色々一気にくるんだなあーー

おもしろい,本当におもしろい!

 

 

明日から夫が海外出張なので,1週間ワンオペです!

今日みたいなご機嫌さんなら余裕だわ〜\\\\٩( 'ω' )و ////

てかこんな可愛い子に1週間会えない夫まじでかわいそう!ドンマイ!

 

息子の初めての予防接種に震える(私が)

息子,生後満2ヶ月を過ぎたので,これから怒涛の予防接種ラッシュがはじまる

 

予防接種については,出産直後から,色んなところで,色んな方法で散々アナウンスされていた

産院の1ヶ月健診では,予防接種の表を渡され,

区から毎日届くパパママメールでは,生後1ヶ月頃からしょっちゅう「2ヶ月をすぎたら予防接種を受けましょう」「早めに予約しましょう」と

区から来た保健師さんも,予防接種について,「とにかく早めに予約するようにしましょうね」と

育児書も,「生後2ヶ月になったら予防接種を受けましょう」「スケジュール管理が大事です」と

 

 

そう,なんとなく分かったけど,予防接種はとにかくスケジュールが重要みたい

あるワクチンを打ったら次は27日以上あけなくちゃいけないとか

あるワクチンは6日以上あけるとか

あるワクチンは全2回とか全3回とか

めっちゃややこしい!

 

そして興味深いのは,どの予防接種も強制ではないこと

定期接種と任意接種の2種類があって,予防接種法によると,定期接種のものについて,保護者が積極的に接種に努める義務があるだけ。そして行政には接種を促す義務があるだけ。接種を求められてるものだから,一定期間内なら公費負担。それに対して,任意接種は希望者が自費で受けるもの。

強制ではないからこそ,単純に「今月はこれとこれねーこの日に来てねー」ってやることができず,保護者が自主的に「これを受けたい」と決めたから受けさせるという体になって,そして非常にややこしいんだろうなー

いちおう,おすすめ接種スケジュールも入ってるけど,体調とかですぐ崩れちゃうだろうし

 

またワクチンには副反応の話はつきものなので,まあ人によって色んな考え方はあるだろうけど,我が家は,受けられるものは全部受けとこうぜ,それに同時(同じ日)に受けられるなんて効率いいじゃんっていうスタンス

これがもし1つ1つ選択して受けたいという家庭であれば,さらにややこしくなると思われる

 

 

 

さて,2ヶ月をすぎたのでさっそく病院へ…

事前事後30分間は授乳してはいけないので,朝からその時間調整をするのに一番気を遣った

 

 

何も知らずいつもどおり(いつもにもまして)ご機嫌なむすこ

 

先生「ではお父さんお母さん,こことここをしっかり押さえててください」

 

針が近づいてきても,当然何もわからないから笑顔のむすこ

 

それが!

右肩にプツッと刺されて!

一瞬「えっ」て顔をしたかと思うと,顔を真っ赤にしてギャン泣き!ギャン泣き!いつものギャン泣きが可愛く思えるくらい超絶ギャン泣き

 

そしてそのギャン泣きのまま今度は右足へ!

 

 

むすこ 「ギィヤあああああアーーー!!」

 

私と夫 「ヒイイーーーーーー!!:(;゙゚'ω゚'):」

 

先生 「ふふーこうやって予防接種が始まっていくんですよー( ^ω^ )」

 

 

さらに経口ワクチンを口に突っ込まれる!

これは自費だから!吐かないでむすこ!!吐いたら追加料金1万円以上かかるんだからーーー!!

 

 

ボロボロ泣いててめっっちゃかわいそうだった…よくやったよお前は…

 

 

接種後は30分間病院にて待機する

副反応があるとしたら,まずはその時間帯に出るから

 

私はまだ心臓ばくばくしてたけど,5分もしたら泣き止んでケロっとしているむすこ(まじか)

さらに15分後にはスヤスヤ眠ってしまった(ちょっとひいた)

無事に帰って良いこととなったので,そろそろと帰宅

 

夜もごくごくとミルクをのみ,お風呂はご機嫌で,夜はいつもの時間にぐっすり寝た

私も最初こそ副反応を心配してたけど,大丈夫そうなので,同じくぐっすり寝た

 

 

いやーーーーすごかった

これがあと半年以上毎月続くかと思うとえげつないな

長い戦いやで

 

区の一時預かりに息子を預けて映画を観てきた

むすこ,2ヶ月と2日!(生後64日!)

いちいち何日めだったっけーと数えるのが面倒臭いので,今後は○ヶ月○日で考えよう。

 

でも今日だけは,生後何日目かが非常に大事な日だった

なぜなら,生後57日以降の乳幼児対象の,区の一時預かりに預けるから!

 

この一時預かり保育は,保護者の冠婚葬祭や育児疲れ等の理由により,家庭での保育が一時的に困難になった場合に,1時間800円で預かってくれるという制度

私の場合は申請理由に「保護者のリフレッシュのため」と書いた。全く問題なかった。

こんな素晴らしい制度のため,予約競争は熾烈を極めるのだけど…夫と交代で並んだりして,とりあえず今月は週1回分ゲット!よかったーー

 

当日は検温して,ミルクや哺乳瓶,着替え,タオルなどなどを詰め込んで,5分前には保育室へ

 

色々申し送りをして,保育士さんたちに「いってらっしゃーい」と笑顔で送り出される

ありがたいありがたい

 

夫も休みの日だったので,久々に2人で映画とランチできた!

 

映画はこちら

f:id:onoboriyoshimi:20170105104110j:plain

f:id:onoboriyoshimi:20170105104058j:plain

 

私はミーハーなので,流行っているものはとりあえず観ておきたいタイプ

「邦画歴代2位なんて!映画館で観ないと絶対に後悔する!」と思ってたから,実現できて本当に良かった!面白かった!!映像も綺麗だった!!

まだまだ人も多く,メモを取りながら観ている人もいた…!(何回目!?)

 

 

ランチは日本橋YUITOのBRASSERIE D&SWEETROOM

d-brasserie.com

 

予約してなかったけど,ちょうど1時間だけソファ席の空きがあるということで,すっと入れた!ラッキー

 

f:id:onoboriyoshimi:20170105104204j:plain

f:id:onoboriyoshimi:20170105104155j:plain

f:id:onoboriyoshimi:20170105104145j:plain

久しぶりにデートできた!わっしょーい!(°▽°)

 

 

 

そして,むすこをお迎え

 

初めて預けられた割には,終始ご機嫌だったみたい

他の幼児にも可愛がってもらったとか

それにしても,保護者連絡票には何分お昼寝したとかが5分刻みで書いてあって,頭が下がる…

 

 

今日は本当にリフレッシュできた。家で見たむすこは前よりさらに可愛く見えた。

たまに預けるの,めっちゃ大事!

 

麻酔分娩をした話①

0 はじめに

2016年11月2日,麻酔分娩で,息子を出産した。

産後2ヶ月が過ぎ,そろそろ落ち着いてきたので,忘れないうちに麻酔分娩についての記事を書いておこうと思う。
断っておくが私は何が何でも麻酔分娩を推奨しているわけではなく,自然に産んでみたいという人に対してはすごいなあチャレンジャーだなあと思うし,帝王切開で産んだ人に対しても本当にお疲れ様です…と思う。とにかくお産は母子ともに無事で終われば,どんな形でも万々歳。


しかし私は,とにかく痛いのが嫌だった。歯医者でもちょっと削るだけでも麻酔をお願いするタイプだし,そのまま歯医者で例えるなら,抜歯するのに「麻酔お願いしようかなーどうしようかなー」とか言う人はいないわけで(当然麻酔するわけで),そうであれば,それよりもっと痛い,死ぬかというくらい痛いという出産において,麻酔の選択肢があるのにあえて麻酔なしというのは考えられなかった。また,里帰りしないつもりだったので,そういう観点からも,産後の回復が早いと考えられている麻酔分娩を選択した。

 

麻酔分娩は,その名の通り出産において麻酔を使用するものである。つまり,ある種神秘的な「出産」行為に人の手を介入することとになる。そのため,なんとなーく(そう,本当になんとなく),「赤ちゃんに影響があるのでは」と思われがちであり,周囲から反対されたり,母親自身も「赤ちゃんに悪いかもしれないことを自分が楽したいがために選ぶなんて,自分は母親失格では…」「お腹を痛めて産んだ子は可愛いというし…」などと自分を責めがちである。


しかし,私ははっきり言いたい。周囲の意見なんか無視していい。痛い思いをするのは自分なのだから。
そして,麻酔分娩で産んでも子供はめちゃくちゃかわいい。私は毎日かわいいーかわいいーもうたまらんーと言いながら過ごしている。

 

私も,医療従事者でも何でもない実母に「麻酔を使ったら赤ちゃんに障害が残る」「自然が一番」と言われたり,10年来の友人に「麻酔って赤ちゃんが寝ちゃうんだよね?」と言われたりした。特にこの友人は,ともに勉強してきた仲間であり,それなりの高等教育を受けていて,私と同じ専門職につき,経済にも明るく,非常に優秀な人物である。そんな人がこんなことをさらっと言ってしまうのである。

もちろん母も友人も悪人ではない。「何が何でも自然がいいんだよおおお」と押し付けてくるわけでもない。そこにあるのは圧倒的な知識不足である(そもそも本当に「自然」がいいなら,病院ではなくどこぞの山奥や海中で1人で産めばよろしい)。なので,こういうことにいちいち傷つく必要はない。実際,2人も,簡単に説明したら「へー!」と言って納得してくれた。


この記事は,様々な理由から麻酔分娩を選択したいと考えているが実際どんなものかわからず不安な人たち,周囲の反応が怖くて言い出せない人たち,楽して産みたいなんてダメだろうかと悩んでいる人たち,そして自分自身は出産を考えていないけど周囲が出産し始めた人たち,に向けて書いている。あの有名なたま○クラブでさえ麻酔分娩についてほとんど載せてくれない現代の日本において,私の個人的記録が少しでも参考になれば幸いである。

 

なお,以下の文章は私の理解と記憶に基づいて作成したものであるが,当然ながら,私は医療従事者でも何でもないので,医療用語等に誤りがあるかもしれない。実際に麻酔分娩を選択される際には,当該医院の医師から十分な説明を受け,自己の責任において選択されるように。

 


前置きが長くなったが,以下見出し

 

  1. そもそも麻酔分娩とは
  2. 病院探し
  3. (当該病院において示された)麻酔分娩のメリットデメリット ←今回ここまで
  4. 陣痛から出産まで
  5. 産後の体調(母子それぞれ)
  6. まとめ

 

 

1 そもそも麻酔分娩とは
1−1 麻酔分娩と無痛分娩
無痛分娩とか麻酔分娩とかいろいろ言われるが,私の中では,いわゆる麻酔を使う経膣分娩を総称して麻酔分娩といい,その中でもしっかり麻酔を使用して結局痛みが無かったものを無痛分娩と呼ぶ,というふうに理解している。同じ麻酔量でも人によっては痛みが残ったり全く痛くなかったりするだろうから,「無痛分娩にしたのに痛かった!」などの感想が出てくる。とりあえず「麻酔分娩」といっておくのが良いのじゃないかなーと思う。

 

なお,私が出産したのと同じ日に,廊下に響き渡るくらい,もう獣の声としか形容できないくらい叫びまくって出産された方がいた。あとで知り合いになって話したところ,なんとこの方も麻酔分娩だったのである。体質か何か知らないけど麻酔が効かなかったらしい。
「痛くないものと信じていたので心の準備ができていなかった。本当に辛かった」とのことであった。

麻酔分娩を選んでも,ふつうに痛いこともある(無痛じゃない)。

 

1−2 麻酔の方法
麻酔の方法としては,硬膜外麻酔がスタンダードのようである。
要は背中にチューブを挿入して局所麻酔を注入する方式。
チューブ挿入は麻酔科医が行うが,その後の麻酔量の管理は産婦人科医でも行うことができる。

 

チューブをいつ入れるかは様々であり,
陣痛が来てから病院に行き,チューブを入れてもらうパターンや
計画分娩日を決めて,その日にチューブを入れてもらい,陣痛を待つパターンなど
病院によって,人によって全然ちがう

チューブを入れてから実際に麻酔を投入する過程についても様々である

 


2 病院探し
2−1 初動が命

さて,麻酔分娩をしたい!と心に決めたとして,次に重要なのは病院探しである。
麻酔分娩を選ぶ人はまだまだ少ないとはいえ,いやだからこそ麻酔分娩を実施している病院も少なく,結果として早め早めに動かないと分娩予約できないという事態に陥ってしまう。

 

手順としては以下のようになる
①ネット等で麻酔分娩を行っている病院を探す
②電話して分娩予約の方法を聞く→だいたいが「まずは診察を受けろ」と言われる
③現在通っている産婦人科で紹介状を書いてもらう
④分娩希望病院にて診察を受け,分娩予約を行う

 

分娩予約する際には,予定日が分かっていないといけない。病院としてもある時期にベッドや人手が足りないとかなったら大変なので,◯月予定日は◯人とか,ある程度予定を組んで分娩予約を受け付けることになる。

ここで,初動が遅いと,②で電話した時点や,④で「◯月予定日の方はもう受付終了しました」と言われてしまう。特に紹介状発行は1週間程度かかったりするので,タッチの差で埋まってしまうこともある。

 

東京は地方に比べて麻酔分娩を実施している病院が比較的多いとはいえ,その中でも,自宅からの近さや,病院の方針,値段,食事(これ大事だよ!)などで絞っていくと,選択肢は限られてくる。

実際,私も,第一希望だったJ大学病院は間に合わなかった。麻酔分娩の先駆けであるこの病院は,妊娠8週で分娩予約しないともう無理とかいう恐ろしい病院である。妊娠経験者ならお分かりかと思うが,8週というのはめちゃくちゃ早い。

 

結局,希望する病院で麻酔分娩を行いたいなら,あらかじめ病院を調べておき,すわ妊娠かというときから,その病院で診察を受けるのが良い,というのが私の感想。妊娠判明→そのまま予約という流れが一番可能性が高そう。

 

なお,セレブ病院のA病院なら,かなり後になっても予約可能だった。

 

 

2−2 金額

麻酔分娩ってお高いんじゃないのーという方に。

私が出産した病院は,麻酔分娩の場合は普通分娩のお金に+15万円だった。

めちゃくちゃ満足しているし,見合っていると思う(むしろ安いくらいでは)。

なお,麻酔カテーテルを挿入した場合にはそれだけで麻酔管理が必要となるため,何らかの理由で麻酔が効かなかったとしても,麻酔管理料は返ってこないというのが一般的なようである。

 


3 (当該病院において示された)麻酔分娩のメリットデメリット
3−1 説明
どこでもそうだと思うが,麻酔分娩を希望する場合,あらかじめ,麻酔分娩について(麻酔分娩の流れ,メリット・デメリット)の説明が行われ,書類に署名/押印する必要がある。
私が受けた説明は以下のとおり。実際に私の身に起こったことについてもあわせて記載する。

 

3−2 母体への影響

  • 針やチューブ挿入の際に硬膜が傷つくことが原因で,頭痛が起こることがあるが,ほとんどの場合1週間以内に治ります。
  • 麻酔分娩により神経が傷つき,腰痛・下肢の神経損傷が起こる可能性があります。
  • 非常に稀に,血腫や腫瘍が硬膜外腔にできて神経を圧迫して感覚や運動麻痺を起こす可能性があります。
  • 発熱することがあります。

→上記いずれも,私の身には起こらなかった。

 

3−3 胎児への影響

  • 母体の痛みが少ないため呼吸が安定し,赤ちゃんへ酸素が十分に届けられます。
  • 局所麻酔薬が胎盤を通過して赤ちゃんに与える影響はほとんどないと考えられていますが,お母さんに血圧低下が見られた場合には赤ちゃんに影響が及ぶので,麻酔分娩中は全身状態について常にモニター管理します。
  • 子宮が過剰に収縮することがあり,それにより一時的に赤ちゃんの心拍数が低下することがありますが,基本的にすぐに回復します。

→実際,我慢できる程度の痛みだったので,十分に呼吸できた。麻酔分娩は母親が楽するだけではなく,赤ちゃんにとっても良い面があるというのは嬉しい驚きである。

また,胎児の心拍数が低下したことが2回あったが,すぐに助産師さんたちが走ってきて,私に酸素マスクをつける・体勢を変えさせるなどの処置をしてくれ,いずれの場合も心拍数はすぐに回復した。

 

3−4 分娩経過への影響

  • 陣痛を人工的に起こすため,陣痛促進剤の使用が必要となります。
  • 陣痛が微弱な場合,人工的に破水させて陣痛を強めることがあります。
  • 人工破膜により赤ちゃんの心拍数が低下することがあり,これが頻繁に認められる場合には帝王切開に移行します。
  • 分娩時間が長くなる傾向があり,子宮内感染の割合が高くなります。

→陣痛促進剤を使用し,さらに人工破膜も行い,抗生剤も投与した。

 

3−5 その他

  • 麻酔分娩前は4時間以上禁食であり,麻酔中は水・お茶・スポーツドリンクのみ飲水可能です。
  • 麻酔中は転倒の危険があるため,歩行禁止です。ベッド上安静となるため,必要に応じてカテーテルで導尿を行います。

→そのとおりのことが行われた。

 

 


今回はここまで,②に続く。